君は僕のもの 【続】




「こんなんで浮かれて…

馬ッ鹿みたい」


直後、ビリビリと紙の破ける音。



あーあ。


と驚かないような素振りを見せては見るけど、一応かなりびっくり。


愛梨なんて目を全開に見開いて。

おまけに口まで開きっぱなし。



「な、何すんだよ!!」

普段早川に対して甘過ぎる態度の翔太も…困惑しながらも怒りを表しているような気がする。


けど早川も引かない。



「馬鹿じゃないの!?こんなことで浮かれてて本当アホ丸出し!
…王子と自分の違いくらい分かんない訳?王子のがあんたなんかより“何百倍”も格好良いんだからね!!!」


瞬間。


凍った空気が漂う。



ゼーゼーと肩で息をしてる早川の目は少し揺れてる。


けど何か。

早川が短気ですぐキレるのはいつものことなんだけど……


こんなに怒ったことあったっけ?



「…み、美菜っ」

心配そうな愛梨の声はきっと今の早川には聞こえてないし届いてない。


教室内もザワザワと騒ぎだす。



何か結構ピンチな展開かもね……



「そうかよ…」

すると聞き慣れてる声よりも数段と低い声。



あーあ。

と二度目。



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