君は僕のもの 【続】




今までにない人の修羅場ってやつをこんな時に見ることになるなんて。


しかも結構な終盤だよね?



「樹…どうしよぉ」

「何で愛梨が泣きそうなの」


と苦笑い。




「そんな風に思ってたんだな?お前…」

翔太が早川のことを“お前”なんて呼び方したの初めてなんじゃないの?


分んないけど……



しかもあの顔。

相当キレてる感じだよね。



「……。」


「だったら俺なんかと付き合わないで樹と付き合えば良かったんじゃねぇの?

あ、あれか?
…樹が愛ちゃんのことずっと好きなの分かってたから俺にしたの?」


嘲笑しながら翔太は皮肉な言葉を続けた。



「あ゛ーーーっ!!
ムカつくっ!もう勝手にしろよ!!!」


「オイ翔太っ!」


最後に早川にギロリと鋭い視線を送ってから勢い良く教室を飛び出した。



さっきよりも騒がしくなる教室。

強気な早川もヘタリと床に座り込んでて俯く。


あーあ、なんて言ってらんないんじゃないの…これ。



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