君は僕のもの 【続】




「…俺何も言って無いけど」

ボソッと呟いてみたけど、愛梨は俺の返事なんて聞かずに勝手に飛び出して行った。



本当、勝手だよねぇ…


ハァッと溜め息。




「何があったの!?」

「…早川と神楽が喧嘩したんだってよ」

「え?でもあの二人って凄く仲良くなかったっけ??」


オイオイ、聞こえてるんだけど。



いつもならきと言い返すだろう早川はまだ床を見つめたまま泣き続けている。


「……ねぇ、立って?」

「……ぅう…っ」


聞いてないし。



仕方ないなぁ、本当に勘弁してよ……


グイッ!


「っ…ちょ!?!?」

「来なよ」



ハァ…とまた深い溜め息。




教室を出ていく時。


「まぁ、頑張って」

とニヤリ微笑。

馬鹿にしてんだか本当に思っていってるんだか分んない奴の声が耳に入る。



ふぅん。


本当は聴こえてるんじゃん、耳。



「どうも」

適当に言って教室を出た。


< 394 / 425 >

この作品をシェア

pagetop