君は僕のもの 【続】
女って言うのは面倒臭い生き物。
鈍感なようで微妙なところが敏感だったりするし…
“余計”な勘違いをよくする。
傷付きやすい、被害妄想激しい、すぐ泣く、常に受け身。
あ、これ愛梨か。
いけないいけないと考えなおす。
「……あのさぁ」
視線はまだ上を向いたまま。
ポツリと俺は呟いた。
「へ…?」
と間抜けな声と視線がこっちに向いたのは分かったけどそれでも俺は空を見上げたまま。
どういう訳か、
空を見ていたい気分だから。
っていうのはさりげない言い訳だったりする。
「手紙、」
泣いてる女の相手は愛梨だけで十分。
それに俺はそんな優しい男じゃ無いよ。
「破る程…何が気に喰わなかったの?」
チラッと流し目で早川を見る。
その目は赤くて、それ以上擦らない方が良いと言いたくなる。
僅かに唇を噛んで呼吸をゆっくりと整えて、
「知ってたの…
本当は翔太が色んな人から好意寄せられてるってことぐらい」
「ふぅん」
「けどそいう好きって気持ちは美菜にも分かる、だって同じように…それ以上に美菜は翔太が大好きだから」
それを翔太に言えばいいのに。