君は僕のもの 【続】
「…別れたいって、言われたら……どうしよ…」
せっかくこの俺がわざわざ雰囲気を良い方へ変えてったっていうのに。
また落胆。
目もまたどんどん潤んできてるし…
「ハァ…、どうしようって、どうするの?」
ベンチの背もたれに両手を開いたままもたれ掛かって、何か堂々としてる俺。
別に苛立ってる訳じゃないけど…
別に苛立ってない訳でもない。
「どうするの、って……」
『そんな言い方しないでよ』的な視線。
いや、そんな目をされても。
「言われたら別れるの?そのまますんなりと」
「……。」
黙るなって。
やっぱり愛梨も早川もこういう所は変わんないんだね…
女ってそういうものかも。
「まぁ、そんな心配…いらないだろうけど。」
また空をグアーっと見上げながら言う。
「……え?」
間抜けな声。
「だから。そんな事を心配する必要は多分無いってこと」
と言ってゆっくりとベンチから立ち上がる。
座ったままの早川の方を向いて、
「今まで通りのアンタでいいから。思ったことは良いなよ、あの馬鹿に」
ていうか俺はだんだん人の為に色々やっちゃってるような……
「…ま、いいか」
「?」
ボソッと呟く。
「ううん、何でもないよ。ホラ…行くよ」
そう言って俺は歩を進めた。