君は僕のもの 【続】
それよりあたし役目を忘れてるんじゃ…!!
けど心なしか不謹慎だけど。
嬉しいっ…!!!
って!
だから違うんだよぉ…愛梨!
「愛ちゃん」
「…って、あ…え?」
急に声を掛けられて驚きながらもハッとしつつ答える。
その方を見て目が合えば。
何だかいつもの翔太くんの面影が無くって…知らない人みたいな、そんな表情をしてたの。
あまりに真剣そうだから。
あたしも少し顔が引き締まると言うか。
「美菜ってさ、本当に俺が好きだったんかねぇ…」
悲しそうで…
切なそうなそんな瞳。
心の中とかそういうのをあたしに悟られたくないのか、翔太くんは空を見上げた。
そんな事……言わないでよ。
「もし樹の恋が叶わなかったら…美菜は付き合えてたんかな」
「そ、そんな…っ!!」
思わず翔太くんの腕を掴む。
それに一瞬だけ翔太くんは驚いた顔をしたけど…
すぐに無表情のような笑みを浮かべた。
「俺が余計なこと愛ちゃんに言わなきゃ、良かったのかもね」
笑って…どうしてそんなこと言うの?
どうして笑ってられるの?