君は僕のもの 【続】
「そんなの…変だよぉ」
うー!
何であたしの視界がぼやけるんだろう…。
「美菜は確かにいつも…っ、
翔太くんに冷たかったりするし苛めてばっかだったけど…」
「改めて言われると微妙だなぁ~」
苦笑いして頭を掻く翔太くん。
「ちゃんといつだって翔太くんのことが大好きなんだよ…?」
そう言ってジッと翔太くんを見つめる。
唇をキュッと噛みしめて涙をすする。
「ありがとう。
…俺さ、本当は分かっててワザとあーやって舞い上がったんだよね」
『ま、単純に舞い上がった気持もあったけど』
と付け足してクスクス笑ってあたしの涙を指で拭ってくれる。
「ワザ…と?」
「前から気になってたからねー、
どうして近くにあんな美系がいて俺なんだろーか…と?」
そのままゴシゴシとあたしの頭を犬を撫でるみたいに撫でる。
髪の毛がグシャグシャ……
「そしたらあんなこと言われちゃって?
能天気な翔太くんでもアレは地味に傷付いたというか…ねぇ~」
アハハと笑いながら翔太くんは片目を瞑って笑みを浮かべる。
「翔太くん…」
「俺って金持ちだし、それが目的かなぁ…とか。
もしかして顔だけ?とか樹と友達だから?とか…一人でいたら色々考えちゃって」
翔太くんの腕を掴んで離したあたしの手を包み込むように翔太くんが握りしめる。
「…けどやっぱり、美菜ちゃんのことが大好きで……」
瞳は揺れてて。
今にも泣きだしそうで…何年も一緒に居て初めて見る翔太くんだったの。