君は僕のもの 【続】
「ちょっと……見てられなくなって、こう…」
別に疾しい事は無いって何度も思うのに、目を逸らしちゃうのは小さな癖なのかもしれない。
こう…。
とは抱き締め合ってしまった時のことを表してるんだけど……
そんなの、言ったら首が跳ねる…っ!
「抱き合ったでしょ?」
「…えっ!?」
思わず驚いて声を上げてその口を手で塞ぐ。
うっ…!
やってしまったと言わんばかりに青ざめていくあたしの顔。
「ふぅん…図星、かぁ」
顎を掴んでいた筈の手はスルスルと動きあたしの頬に触れる。
首にあった顔は目の前。
ニヤリといつもの微笑は無くて…どこか冷めきった顔をしている。
これは不機嫌の限度を超えた時の表情で。
やってしまった……!!
幾度となくそんな気持ちを胸の中に抱えてはみるけど、実際のところどうしようもない。
「匂い」
「……へ?…んっ?!?!」
と間抜けな返事をした直後に塞がれる唇。
一気に入り込んでくる舌に思い切り口内を荒らされて、深く…深くと何度も角度を変えて口付けられる。
舌の先が絡むようにあたしの下を追いまわしてくる…
少し唇が離れて二人を銀色の透明な糸が繋いで、それもすぐにプツンと切れる。
もう一度唇は近付いてあたしの唇をペロリと舐める。