闇の果ては光となりて
生徒達で賑わう校門前、派手なバイクの登場に驚きながらも道を譲った生徒達。
霧生は戸惑うことなく、そこにバイクを停車させた。
遠巻きに出来た人垣にまたか、と小さく息を吐き、私はタンデムから降りた。
あぁ、見られてる。
すっごく見られてるよ。
向かってくる値踏みする様な視線と、妬みを含んだ視線に辟易しながらもヘルメットを外した。
霧生が長い足を利用して颯爽とバイクから降りると、周辺からキャーキャーと黄色い悲鳴が上がった。
そんなざわめきを気にする事無く霧生は、オープンシートから私の鞄を取り出し手渡してくれる。
「送ってくれてありがとう」
と言えば、
「ああ。いい子で勉強しろよ」
そう言いながら、私の頭を撫でた。
再び上がる黄色い悲鳴に、やれやれと息をつき霧生を見上げた。
余計な事をしないで、立ち去ってほしかったよ。
霧生に頭を撫でられるのは嫌いじゃないけど、時と場所を選んでもらいたいものだ。
「霧生もしっかりね」
「フッ···言われるまでもねぇわ」
いや、本当に勉強してよ。
霧生が、授業をサボって遊んでる噂は耳に入ってるんだからね。
イケメンなら何をしても許させると思ったら大間違いだよ。
まぁ、サボってても勉強できる辺りはチートなのかも知れないけどね。
「じゃあな。また帰りな」
再びバイクに跨った霧生はゆるりと口角を上げる。
「うん」
帰りも霧生だと知って、嬉しいと思ったのは内緒だ。
ハンドルを器用に操り、流れる様にバイクをスタートさせた霧生に手を振り見送った。
立ち止まってこちらを見ていた生徒達も、用は済んだとばかりに動き出す。
残った数名の女子生徒達が私を睨みつけながら、何やら話してた。
彼女達は確か3年生だったよね。
一週間程前に理不尽な文句を言ってきた連中だった気がする。
言われた事も相手の事も、右から左へと受け流していたから、あまり記憶には残ってないけど。
「おはよ。朝からど派手な登場ご苦労さま」
鞄を肩を担ぎ上げ、駆け寄ってきたのは森川霜月(もりかわしもつき)、通称ツッキー。
小学生からの私の大親友。
肩までの茶色いミディアムヘアーに、毛先だけ緩やかなパーマを掛けた美人さん。
彼女曰く、愛されゆるカールなんだとか。
「おはよ。朝から精神的に疲れたよ」
はぁ、と息を吐き出しツッキーを見た。
「しかし、相変わらず色気を無駄に垂れ流した男よねぇ」
小さく消えていく霧生の背中に目を向け、やれやれと首を振ったツッキー。
いやいや、色気なら貴方も負けて無いからね。
胸元のリボンを緩め、シャツの第二ボタンを開けてるツッキーは、お色気満載である。
男子達がチラチラとツッキーに向ける目には、欲と想像が含まれてそうだよ。
霧生は戸惑うことなく、そこにバイクを停車させた。
遠巻きに出来た人垣にまたか、と小さく息を吐き、私はタンデムから降りた。
あぁ、見られてる。
すっごく見られてるよ。
向かってくる値踏みする様な視線と、妬みを含んだ視線に辟易しながらもヘルメットを外した。
霧生が長い足を利用して颯爽とバイクから降りると、周辺からキャーキャーと黄色い悲鳴が上がった。
そんなざわめきを気にする事無く霧生は、オープンシートから私の鞄を取り出し手渡してくれる。
「送ってくれてありがとう」
と言えば、
「ああ。いい子で勉強しろよ」
そう言いながら、私の頭を撫でた。
再び上がる黄色い悲鳴に、やれやれと息をつき霧生を見上げた。
余計な事をしないで、立ち去ってほしかったよ。
霧生に頭を撫でられるのは嫌いじゃないけど、時と場所を選んでもらいたいものだ。
「霧生もしっかりね」
「フッ···言われるまでもねぇわ」
いや、本当に勉強してよ。
霧生が、授業をサボって遊んでる噂は耳に入ってるんだからね。
イケメンなら何をしても許させると思ったら大間違いだよ。
まぁ、サボってても勉強できる辺りはチートなのかも知れないけどね。
「じゃあな。また帰りな」
再びバイクに跨った霧生はゆるりと口角を上げる。
「うん」
帰りも霧生だと知って、嬉しいと思ったのは内緒だ。
ハンドルを器用に操り、流れる様にバイクをスタートさせた霧生に手を振り見送った。
立ち止まってこちらを見ていた生徒達も、用は済んだとばかりに動き出す。
残った数名の女子生徒達が私を睨みつけながら、何やら話してた。
彼女達は確か3年生だったよね。
一週間程前に理不尽な文句を言ってきた連中だった気がする。
言われた事も相手の事も、右から左へと受け流していたから、あまり記憶には残ってないけど。
「おはよ。朝からど派手な登場ご苦労さま」
鞄を肩を担ぎ上げ、駆け寄ってきたのは森川霜月(もりかわしもつき)、通称ツッキー。
小学生からの私の大親友。
肩までの茶色いミディアムヘアーに、毛先だけ緩やかなパーマを掛けた美人さん。
彼女曰く、愛されゆるカールなんだとか。
「おはよ。朝から精神的に疲れたよ」
はぁ、と息を吐き出しツッキーを見た。
「しかし、相変わらず色気を無駄に垂れ流した男よねぇ」
小さく消えていく霧生の背中に目を向け、やれやれと首を振ったツッキー。
いやいや、色気なら貴方も負けて無いからね。
胸元のリボンを緩め、シャツの第二ボタンを開けてるツッキーは、お色気満載である。
男子達がチラチラとツッキーに向ける目には、欲と想像が含まれてそうだよ。