闇の果ては光となりて
あの後、いけ好かない男に目隠しをされ、私が連れてこられたのは多分···廃墟。
目隠しを取ってもらえたのは、建物に入ってからで、どこを通って連れて来られたのかは分からない。
突然明るくなった視界に、目がチカチカした。
ゆっくり戻ってくる視力で、目を凝らせば荒れ放題の室内にアフロといけ好かない男、それと10人ほどの不良達が居た。
ニタニタ、ニヤニヤ笑ってて、薄気味悪いったらない。
ゾクッと粟立つ背中、これからどうなっちゃうのかと考えると恐怖が襲ってくる。
それでも、負けちゃいけないと、自分に言い聞かせた。
「おい、スマホ出せ」
いけ好かない男が顎で鞄を指す。
動揺しないように、出来るだけ無表情を装い口を開く。
「学校に忘れてきた」
「嘘付け」
「くだらない嘘はつかないよ。持ってないものは持ってない」
そう言って鞄をひっくり返し中身をばら撒いてみせた。
「制服のポケットも出せ」
「だから、持ってないってば」
ブレザーの両方のポケットを引っ張り出して見せる。
ドキドキする胸は鳴り止まない。
それを男達に気付かれないようにするのが、精一杯だった。
「スマホ忘れるなんて今時の子じゃないね。本当珍しい。まぁいい、この子、奥に放り込んでおいて」
アフロがそう言うと、10人のうちの1人が進み出た。
私は慌てて、床に転がる鞄の中身を拾い集め鞄に詰める。
「攫われてきたのに、やけに冷静だな」
「パニックになって泣き喚いても、状況は変わらないじゃん」
本当は震えるぐらい怖くて、泣きたいよ。
それでも、こいつらに弱みを見せたくなんて無かった。
「そう。霧生達が気に入るはずだね。毛色の違う子猫ちゃん。さぁ、もう行って」
アフロは楽しげに笑うと、シッシと手を振った。
「こっちだ!」
進み出た1人が私の腕を乱暴に掴み、廃墟の奥に向かって歩き出す。
幽霊でも出そうな廃墟に、ブルリと身体を震わせながらも、男の誘導に従い足を進めた。
「怪我をしたくなけりゃ、ここで大人しくしてろ。総長が来るまでは、お前も安全だろうよ」
皮肉の様にそう言うと、男は一番奥の部屋に着くとドアを開け、私をその中へと突き飛ばす。
勢い良く突き飛ばされたせいで、つんのめった身体はバランスを失い前に前のめりに倒れ込んだ。
咄嗟に片手を床に付き、顔から落ちるのは防いだけど両膝を強かに打ち付けた。
「痛っ···」
声を漏らした瞬間、背後で胸糞の悪い笑い声とドアの閉まる音が響いた。
「あの男、絶対泣かせてやる」
ゴロンと身体を反転させ、床にお尻をついて座り直しながら、悪態をつく。
私のデスノートには、この短期間で色んな奴らの名前が書かれたと思う。
酷く痛む左足の膝に目を向ければ、結構擦り剥いていて血が出てた。
青タンまで出来てるじゃん、最悪。
はぁ、と溜め息をつき、鞄の中からハンカチを取り出し血を拭った。
目隠しを取ってもらえたのは、建物に入ってからで、どこを通って連れて来られたのかは分からない。
突然明るくなった視界に、目がチカチカした。
ゆっくり戻ってくる視力で、目を凝らせば荒れ放題の室内にアフロといけ好かない男、それと10人ほどの不良達が居た。
ニタニタ、ニヤニヤ笑ってて、薄気味悪いったらない。
ゾクッと粟立つ背中、これからどうなっちゃうのかと考えると恐怖が襲ってくる。
それでも、負けちゃいけないと、自分に言い聞かせた。
「おい、スマホ出せ」
いけ好かない男が顎で鞄を指す。
動揺しないように、出来るだけ無表情を装い口を開く。
「学校に忘れてきた」
「嘘付け」
「くだらない嘘はつかないよ。持ってないものは持ってない」
そう言って鞄をひっくり返し中身をばら撒いてみせた。
「制服のポケットも出せ」
「だから、持ってないってば」
ブレザーの両方のポケットを引っ張り出して見せる。
ドキドキする胸は鳴り止まない。
それを男達に気付かれないようにするのが、精一杯だった。
「スマホ忘れるなんて今時の子じゃないね。本当珍しい。まぁいい、この子、奥に放り込んでおいて」
アフロがそう言うと、10人のうちの1人が進み出た。
私は慌てて、床に転がる鞄の中身を拾い集め鞄に詰める。
「攫われてきたのに、やけに冷静だな」
「パニックになって泣き喚いても、状況は変わらないじゃん」
本当は震えるぐらい怖くて、泣きたいよ。
それでも、こいつらに弱みを見せたくなんて無かった。
「そう。霧生達が気に入るはずだね。毛色の違う子猫ちゃん。さぁ、もう行って」
アフロは楽しげに笑うと、シッシと手を振った。
「こっちだ!」
進み出た1人が私の腕を乱暴に掴み、廃墟の奥に向かって歩き出す。
幽霊でも出そうな廃墟に、ブルリと身体を震わせながらも、男の誘導に従い足を進めた。
「怪我をしたくなけりゃ、ここで大人しくしてろ。総長が来るまでは、お前も安全だろうよ」
皮肉の様にそう言うと、男は一番奥の部屋に着くとドアを開け、私をその中へと突き飛ばす。
勢い良く突き飛ばされたせいで、つんのめった身体はバランスを失い前に前のめりに倒れ込んだ。
咄嗟に片手を床に付き、顔から落ちるのは防いだけど両膝を強かに打ち付けた。
「痛っ···」
声を漏らした瞬間、背後で胸糞の悪い笑い声とドアの閉まる音が響いた。
「あの男、絶対泣かせてやる」
ゴロンと身体を反転させ、床にお尻をついて座り直しながら、悪態をつく。
私のデスノートには、この短期間で色んな奴らの名前が書かれたと思う。
酷く痛む左足の膝に目を向ければ、結構擦り剥いていて血が出てた。
青タンまで出来てるじゃん、最悪。
はぁ、と溜め息をつき、鞄の中からハンカチを取り出し血を拭った。