相思相愛ですがなにか?
寝顔を眺めながらあやすように背中をポンポンと叩いていたその時、サイドボードの上に置いていた、携帯から着信音が鳴った。
月子ちゃんを起こさないように細心の注意を払いながら、ベッドから抜け出し携帯を手に取る。
「もしもし」
「朝早くから申し訳ありません。至急、確認していただきたい書類がございます」
着信は片山くんからだった。
俺が出社するまで待てずに連絡するなんて、よっぽどのことが起こったのだろう。
「わかった。確認するから一式メールしておいてくれる?」
俺は着信を終えると、はあっと小さく息を吐いた。
今日でゲストルームの配管工事が終わる。
(一緒に寝るのはしばらくお預けだな)
すーすーと気持ちよさそうに寝息を立てている月子ちゃんの頭をそっと撫でると、俺は書類を確認すべく、パジャマからスーツに着替えるのだった。