極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
◇◇◇
翌日のオーシャンズベリーカフェの開店前。
「陽奈子ちゃんが日曜日にお休みするなんて珍しいわね」
立ち上げたパソコンの画面に映し出した六月のシフト表を前にして、早紀は陽奈子が付けた希望公休を見て目を見開く。
土日はほぼ出勤していた陽奈子が六月最初の日曜日に〇を記したのが、よほど目立ったらしい。
「はい、実は……」
結婚するのなら、職場のみんなに報告するのは義務のようなもの。
恥ずかしい気持ちもあったが、思いきって告白する。
「結婚式なんです」
「ご家族の?」
すぐ近くにいた大和がそう思うのも無理はない。なにしろ陽奈子に彼氏がいないのは公然の事実だったから。
「あ、いえ、私のです」