極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
陽奈子は眉間に皺をざっくりと刻んで彼をキッと見た。これくらいの反撃はしたっていいだろう。
ここまで人に対して強い口調で言ったのは初めてかもしれない。
男はうっすらと笑みを滲ませた目で陽奈子を数秒見つめたあと、背を向けた。
(もうっ、本当になんなの? せっかく綺麗な景色を楽しみにここに来たのに)
夕暮れのなか歩きだした彼の背中をしばらく見ていた、というよりは睨んでいた陽奈子も、気を取り直してホテルに向かって歩き始めた。