極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

阿佐美はきっと、智子との仲を取り持とうとしてくれたのだろうから。

ほんわかとしているようでいて、いろいろな気遣いをする人なのだろう。そうでなければ、ツキシマ海運という大企業の社長を支えてこられなかったはず。

その座に自分もついたのだと改めて思い、身の引きしまる思いがする。


「お姉様もね、悪い方じゃないの。ただただ月島家のことが心配なのよね。主人が亡くなったから、余計に姉の自分がしっかりしなくちゃと思っているの」


阿佐美によれば、智子の夫はツキシマ海運の顧問弁護士をしているという。智子は月島家を、その夫はツキシマ海運を長年にわたって支えてきているのだ。
大切に思うからこそ、智子は陽奈子に厳しくあたるのだろう。


「陽奈子さんを気に入らないわけじゃないのよ。お姉様が選んだお相手じゃないのが気に入らないのはたしかだけど。でも陽奈子さんへの個人攻撃じゃないのはわかってあげてね。きっとまだ気持ちの整理ができていないの」
「はい、わかっています」

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