極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「靴、脱がなくていいんです……よね?」
思わずそう尋ねると、貴行は「そのままで」とわずかに目もとを細めた。
「おじゃま、します……」
ベージュの絨毯が敷かれた車内はサロン風の造りになっており、黒い革張りのシートが惜しげもなく高級感を漂わせていた。
運転席と後部座席の間は仕切られていて、完全なる個室だ。
「そんなに緊張しなくてもいいだろ」
陽奈子がカチンコチンになっているのはバレバレだったようだ。
「こんな車は初めてなので……」
普通に生きていたらお目にかかれないシロモノだ。
「貴行さんが迎えにきてくれるとは思いませんでした」
「待ち合わせた店で待ってようかとも思ったんだけど、陽奈子の職場でも見ておこうかと」