極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

陽奈子が店を出るときにも早紀は口をあんぐりと開けていたから、明日出勤したらいろいろと聞かれるだろう。

大和も似たような有様。どことなく険しい表情に見えたのは、一般庶民の陽奈子とは不釣り合いなのではないか?という懐疑的なもののためだろう。


「さっきカウンターの中にいた男だけど」
「あ、あの店の店長です」


不意に聞かれ、陽奈子が即答する。


「……店長? 名前は?」
「安西大和さんです」


そう答えたとたん、貴行は「安西大和」と繰り返していぶかし気に目を細めた。


「どうかしましたか?」
「……いや、なんでもない」


貴行は取り繕ったようにそう答えてから、ふと陽奈子を見る。
まじまじと見つめられ、陽奈子はなんだかソワソワとした。

< 181 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop