極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
顔を見ただけで店員から貴行の名前が出てくるのだから、よく使う店なのだろう。
全身黒服の店員に案内されたのはフロアの一番奥、窓際のテーブルだった。
「わぁ、すごーい!」
窓の外、眼下に広がる光の海がきらめいて揺れている。
「個室のある店も考えたんだけど、陽奈子が喜ぶかと思ってね」
さらりと言ってテーブルの上に手を置く。窓にへばりつく勢いの陽奈子を見て微笑んだ。
「ありがとうございます!」
うれしさに陽奈子の声が弾む。
(こんなに綺麗な夜景、見たことないよ……)
星屑が散らばったような景色は、いくら見ていても飽きる気がしない。
「そろそろ座ったらどうだ」