極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

(嘘……)

それと同時に、陽奈子の心臓が嫌な音を立てていく。


「どうかしたのか」
「あ、いえ……」


そう誤魔化したものの、動揺を隠しきれない。


「陽奈子?」
「……以前、勤めていた会社の役員がいて……」


陽奈子が秘書として就いていた専務取締役の岡崎だったのだ。セクハラまがいのことをして、陽奈子を退職に陥れた男である。

一緒にいるのは会社関係か。スーツ姿の初老の男性が向かいに座っている。


「アイツとなにかあったのか?」


尋常じゃない陽奈子の狼狽ぶりを見た、貴行の表情は険しい。


「ホテルに連れ込まれて……それで、その……」
「まさか乱暴を……?」

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