極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
七三に分けた髪を整髪料できっちりと固め、でっぷりと貫禄のあるお腹を突き出す。
陽奈子は声も出せずに胸の前で手を握りしめた。
「相変わらず、誘うような目つきだなぁ。ひとり? それとも男連れか?」
岡崎の顔が近づいたため、咄嗟に数歩下がって避ける。岡崎の脇を通って立ち去ろうとしたものの、腕を掴まれてしまった。
「は、放してくださいっ」
強く引っ張ってみても、がっちりとホールドされて放れない。
それどころか逆に引き寄せられ、岡崎の恰幅のいい身体に密着させられた。
「やっ……!」
「嫌がっているようには見えないぞ? もう再就職したのか? 今度の就職先でも、物欲しそうな顔して男を誘ってるんだろう? なら今夜は私とどうだ?」
粘着質の声で囁かれ、虫唾が走る。手で懸命に岡崎の胸を押し返してみても、一向に離れない。