極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
(嘘、でしょ……。貴行さんが、私を……好き?)
すぐには信じられない言葉だった。
これまでの貴行の言動から、嫌われていないのはなんとなく感じていた。
でも、始まりはふたりの気持ちがゼロの状態。そのうえ貴行ほどの男なら、陽奈子では足もとにも及ばない素晴らしい女性を選び放題なのだ。
そんな貴行に好きになってもらえる日が、こんなにも早くやって来るとは。
「信じられないって顔だな」
間近で貴行がいたずらに笑う。
「だって、セクシーな格好しても顔色ひとつ変えなかったし。私にまったく興味がないんじゃないかと……」
あの朝は衝撃的だった。意図せずあんな格好を見られることになったけれど、顔色ひとつどころか何事もなかったかのような貴行の態度は、かなりのショックだった。
これまで、〝誘うような目つき〟だとか〝男好きのする顔〟だとか言われてきたのはなんだったのかと。
もしかしたら貴行の目には女として映っていないのではないかと。