極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

(またなにを言われるかわからないから早く見つけないと)

ところがどこをどう探しても、指輪どころか塵ひとつ出てこない。行き届いた清掃に感心しながら、だんだん諦めモードに入ろうかというときだった。


「この指輪ですか?」


声がしてパッと振り返ると、男が女性に近づいていく。

(えっ、見つかったの!?)

陽奈子も女性のもとへ駆け寄った。もうダメだと思いかけた頃だっただけに驚きを隠せない。

彼の手のひらにのせられたシンプルな三連のゴールドリングが、朝日を浴びてきらめいた。


「そうよ! これこれ!」


指輪を確認した女性は今にも飛び上がりそうなほどだ。


「もう見つからないかと思ったからうれしいわ。本当にありがとう」

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