極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「そうだったんですか」
気づいたときには地面から音がしたと女性に聞いたため、まさか指輪が飛び上がって鉢植えの中にダイブするとは考えもしなかった。
「ありがとうございました」
「キミがお礼を言う必要はないだろ」
「ですが、足止めさせてしまいましたから。私ひとりだったら、きっと見つけられなかったと思います」
そうなっていたら、あの女性を相当悲しませただろう。大丈夫ですよと無責任に言っておいて見つからないなんて話にならない。
「よくよくらしいな」
男は、どことなく笑いをこらえるようにして口もとに手を当てる。
男の言いたいことはわかる。よほどのお人好しだと言いたいのだろう。
本当に意地悪な男だ。
「あなたにどう思われても平気ですから」