極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
日本から遠く離れた異国の地。この場限りの小さな出会いなのだ。
人生で考えたら、それこそ一瞬。
たまたま運悪く、意地の悪い男に会ってしまっただけ。この先二度と会わないだろうから。
ちょっとしたアクシデントだと思えばいい。
「今夜の予定は?」
唐突に尋ねられ、目をぱちつかせながら「特にはありませんが……」と答える。
あなたには関係ないと言えばよかったと、あとから悔やんだ。
今日一日バレッタを散策して夜にはホテルに戻る予定だ。
でも、なんのための確認なのか。
「セントジュリアンの『ホテルファビュラン』はわかるか?」
「泊まっているホテルですが」
陽奈子が宿泊しているホテルだ。
「それなら話は早い。そのホテルのフロントロビーに七時」
「……えっ?」
「キミが俺にするお礼」