極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

「早紀さんのお父様の不正は疑惑に終わったんですか?」


陽奈子の質問に早紀が首を横に振る。


「残念だけど実際にあったことなの」


早紀によれば、アパートなどの投資用不動産への資金を必要とするオーナーに対して、不適切な融資を行っていたという。その指示をしていたのが早紀の父親らしい。


「でも、ほかの役員たちにそそのかされたのよ。仕方なくだったの。それなのに……」


早紀が唇を噛みしめる。


「……そうだったんですね」


早紀の身に起きたのはとても不幸なことだと陽奈子も思う。
将来結婚する相手だと言われ続け、密かに恋心をあたためてきた早紀にとって、胸をえぐられる想いだったのではないか。

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