極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

「お願いですから、そんなことは言わないでくださいっ」


あられもないシーンを思い出して、何十倍もの恥ずかしさに襲われる。


「ほら、こっちにおいで」


伸ばしてきた手に導かれるようにして貴行のほうへ移動した。
背中から抱き込まれるような体勢は、貴行に守られている感覚がして妙に落ち着く。

それとは裏腹に、背中に胸板の逞しさを感じて鼓動が弾んだ。
時折、濡れた髪や首筋にキスが落とされるから余計だ。


「貴行さん、いろいろとありがとうございます」


緊張と胸の高鳴りから逃れるためというのもあるが、改めてそう告げる。


「唐突になに?」


クスッと笑った息が耳にかかり、背筋を甘い痺れが駆け抜けた。

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