極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

「俺のほうが年上だろうから、呼び捨てでも失礼にはならないだろ。陽奈子は何歳?」
「……二十五歳ですけど」


憮然としつつ返す。


「俺は三十一歳。六歳も年上なわけだ」


つまり、だからこそ呼び捨てにする権利があると言いたいらしい。なぜか勝ち誇ったような顔だ。

(六歳も年上のくせに年上か年下かで優位に立とうとするなんて子供っぽくない?)

ついふっと笑ってしまった。

拍子抜けして毒気を抜かれそうになったところで、慌ててその尻尾を捕まえて心を立て直す。


「でも、あなたとは知り合ったばかりです」
「〝あなた〟じゃない。貴行だ。フロントに預けたメモに書いただろう? 陽奈子も俺に〝お人好しさん〟と呼ばれるのは嫌だと言ったはずだ」


論点をすり替えられた。
とはいえ、彼の言っていることに間違いはない。

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