極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

つられてあっさり答えると、貴行は右手をひらりと振った。


「あとで連絡する」
「あ、はい……」


呆気にとられながらその場で立ち尽くしているうちに、貴行と男はロビーラウンジへ入っていった。

(あとで連絡って? どうして? もうこれっきりじゃないの?)

青の洞門へ一緒に行ったのは、貴行が方向音痴だから。
その目的を果たせば終了ではないのか。

そう思う一方で、意外にも楽しく過ごせた時間を思い返して心が落ち着かなくなった。

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