極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
しかし、そうではないという。
お相手についてはなにひとつ聞かされていないけれど、もしかしたら規格外に歳の離れた男の可能性もある。
たとえば、父と娘といってもいいくらいの歳の差だとか。
いや、それならまだいいかもしれない。
それこそ六十代、七十代の可能性だってある。もしかしたら妻と死に別れ、陽奈子とは再婚だとか。
でなければ、陽奈子との縁談を進める必要のない相手だ。
だからといって今さら嫌だと言うつもりはないけれど。
「もちろんツキシマ海運にも目論見はあるんだ。うちで開発したばかりの船舶の部品の特許を出願したいとね」
「えっ! お父さんが開発した部品の特許を!?」
それで合点がいく。その収入だけでも莫大になると見込んだのだろう。
「そんなの許しちゃっていいの? 大切な特許権なのに」
「それよりも守るべきものがあるからね。ただ、陽奈子まで巻き添えにするのが気がかりなんだ」