彼女を10日でオトします
「キョーン、はぐしていい?」

「聞いても無駄だって、わからないの?
いやよ」

「むう。嫌がっても無駄だって、わからないの?」

 手の甲から、手を上にスライドさせて、キョンの手首を卵をにぎるくらいの力で掴み、俺の後ろに引いた。

 とす、という感じにキョンの体と俺の体がぶつかる。

 キャーッチ。そして、ハァグ。

「じゃあ、聞かないでよ」

 まあ、そうだわね。

 ブレザーの硬い肩を撫でてみる。冷えた俺の手には、ほんのり暖かい。

 キョンのいい通りなんだけども、でも

「キョンに『いいよ』って言ってもらいたいじゃない」

「私が言うとでも?」

「やっぱり、言わないかあ」

「当たり前でしょ」

 字面にすると、とげとげしい感じだけど、なんかね、キョンの声、いつもよりワントーン高い気がする。しかも、全然嫌がらないし。

 ちょっと、期待しっちゃったり?

「キョン、本当に昨日はごめんね」

「しつこい」

 キューティクル抜群のつるつるした髪の感触がほっぺにあたる。
 いい匂ぉい。キョンちゃんと同じシャンプー使おうかしら。

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