彼女を10日でオトします
 ど、どうしよう……。

 颯爽と、という言葉は、この人のために生まれたんじゃないかってくらい、スタスタと肩で風を切って歩く背中。

 それを見つめて、半ばパニック状態の私は、これからどう気をつけようかと、不毛なことばかり考えていた。

 もう遅いわよね。
 私の事、この生徒会長にばっちり認識されちゃったんだもの。

 ヒデさん、せっかくご忠告を頂いたのに、早速しくじってしまいました……。

 校舎もさることながら、玄関もまた私が通っている高校とはケタ違いだった。

 2年……。

 生徒会長さんは、「2年」とプレートがついた下駄箱に靴をしまう。

「しばし待っておれ」

 上履きを履いた生徒会長さんは、そういい残すと向かって左に歩いて行った。

 待っておれ、って。ここに一人で置いていかないでほしいんですけど。
 ここの生徒と違う制服が、「私は怪しい者です」と物語っている気がしてならない。

「君はなんだね? S高校の制服じゃないか」

 ほらきたあぁぁ!

 玄関を横切ろうとした、頭が電球と化した先生と思われる方がこっちに近づいてくる。

 なんて答えればいいんだろうか。
 会いたい人がいて? これってなんだかストーカーっぽい言い訳よね。
 ちょっと用事がありまして? だからって、校舎に侵入していい理屈にはならない。

「答えなさい」

 そんなこと仰られても……。
 とりあえず、先生、トレーナーは、ジャージのズボンから出したほうがいいですよ。
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