ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
「あー、いいんちょー」


三神くんはさして気にした様子もなく言い直した。


むしろ言い直された方が気になってしまうのだけど。


「えぇと……?」


「だから、俺も篠宮と一緒にプリント教えて。さすがに1年とダブるとか無理」


「ぁ、あ!うん、プリントね。じゃあ今日の放課後やりましょう。出せるものは今日中に出しといた方がいいですし」


若干パニックのまま早口になってしまったのは無意識だった。


プリントを提出したことがない三神くんが取る行動にしては意外さを極めていたけれど、最早それがどうでもよくなるくらいに私は動揺しているみたい。


三神くんに掴まれたままの手首から熱が上がってきて、心臓がきゅっとなった。


熱い。


三神くんはまだ手を離さない。
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