ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
篠宮くんは思ったよりも重症だった。


高校受験で使ったはずの公式はすっぽり頭から抜けてしまっているし、1年の頃はほとんど授業を聞いていなかったらしい。


おかげで問題を解くどころか公式の解説から始めなくてはいけなくて、本音を言うととんでもなくまずい状況だった。


篠宮くんの突っ込みには、うーん、と曖昧な笑顔で応える。


「とりあえず、ここに公式集があるから、それを頭に入れることから始めましょう。一個一個理解していけば、そんなに難しい話ではないです。篠宮くんなら大丈夫」


「うぅ、頭痛が痛てぇ」


「日本語間違えてますよ」


「痛てぇ……」


篠宮くんは唸りながらプリントを進め、なんだかんだ真面目に取り組んでくれている。


問題は──
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