ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
「篠宮は参加させないから」
数学の授業のためのテレビを準備しに来た志谷先生は、私からクラス分のノートを受け取ると、あろうことか、そんなことを言い放ったのだ。
「なんで!?俺の黒毛和牛は!?」
篠宮くんの幸せそうな顔は一瞬で打ち砕かれ、さすがに和香ちゃんも目を丸くする。
「ちょっと綾芽ちゃ」
「綾芽ちゃん言うな馬鹿」
コードを伸ばしながら、志谷先生はキャベツの中に虫を見つけた時のような顔をする。
去年まで担任団だった佐野先生が産休で、代わりに今年度から担任団に加わった志谷先生は、その下の名前で呼ばれることを酷く嫌った。
毎度のこと「女みたい」と言われるのがうんざりなんだそうだ。
和香ちゃんと篠宮くんの幼なじみ'sは懲りずにずっと綾芽ちゃん呼びだけれど。
「ゴールデンウィーク前のテスト赤点だったのにも関わらず、補講も来ない課題も出さない。好きなことだけやらせるわけねぇだろ」
「けど帆貴だって赤点で課題出してなかったじゃんー」
唐突に名前を出されて、三神くんがぴくりと反応する。
起きるかな、と思ったけど、名前に反応しただけでまた眠りの世界へ誘われてしまった。
いや、もしかしたら聞きたくないから寝たフリをしているのかもしれない。
「だからお前ら2人今のところ不参加」
「ふざけんな!」
「俺がふざけんなだわ。うちのクラスの評価下げやがって。……お前は知らんだろうよ、赤点がうちのクラスだけだった時の担任団の視線を。あー、煙草吸いてぇ」
げっそりとした顔で溜息を吐く志谷先生。
篠宮くんはしゅんとしてしまって、なんだか少し可哀想になってしまった。
数学の授業のためのテレビを準備しに来た志谷先生は、私からクラス分のノートを受け取ると、あろうことか、そんなことを言い放ったのだ。
「なんで!?俺の黒毛和牛は!?」
篠宮くんの幸せそうな顔は一瞬で打ち砕かれ、さすがに和香ちゃんも目を丸くする。
「ちょっと綾芽ちゃ」
「綾芽ちゃん言うな馬鹿」
コードを伸ばしながら、志谷先生はキャベツの中に虫を見つけた時のような顔をする。
去年まで担任団だった佐野先生が産休で、代わりに今年度から担任団に加わった志谷先生は、その下の名前で呼ばれることを酷く嫌った。
毎度のこと「女みたい」と言われるのがうんざりなんだそうだ。
和香ちゃんと篠宮くんの幼なじみ'sは懲りずにずっと綾芽ちゃん呼びだけれど。
「ゴールデンウィーク前のテスト赤点だったのにも関わらず、補講も来ない課題も出さない。好きなことだけやらせるわけねぇだろ」
「けど帆貴だって赤点で課題出してなかったじゃんー」
唐突に名前を出されて、三神くんがぴくりと反応する。
起きるかな、と思ったけど、名前に反応しただけでまた眠りの世界へ誘われてしまった。
いや、もしかしたら聞きたくないから寝たフリをしているのかもしれない。
「だからお前ら2人今のところ不参加」
「ふざけんな!」
「俺がふざけんなだわ。うちのクラスの評価下げやがって。……お前は知らんだろうよ、赤点がうちのクラスだけだった時の担任団の視線を。あー、煙草吸いてぇ」
げっそりとした顔で溜息を吐く志谷先生。
篠宮くんはしゅんとしてしまって、なんだか少し可哀想になってしまった。