15年目の小さな試練
「……ハル?」
ハルが言っている事が何なのか、頭のどこかでは理解していた。だけど、久々の満面笑顔のハルを間近に見て、オレは一瞬、我を忘れた。
「見学しに行っても良いって、谷村くん、前に言ってた……よね?」
ハルはオレの手をきゅっと握り返し、そのまま淳の方に目を向けた。
淳がこのチャンスを逃すはずはない。ハルというオレの弱点を淳は見事に突いてきた。
「もちろん! いつでも来て? ハルちゃん用の椅子も準備するし!」
「淳!」
オレは瞬時に表情を硬くして淳を睨みつける。
だけど、その瞬間、またハルがビクッと震えた。
「ハル、ごめん、大きな声出して」
慌ててハルに向き直って謝ると、ハルはとても困った顔をしていた。
「……あの、ごめんね、カナ。そんなに嫌なら、わたし……」
困った顔と言うより、泣きそうな顔と言うか、とにかくハルはすごく悲しそうに、小さな声で先を続けようとしたのだけど……。
「ああ、ごめん、ハル! 全然、大丈夫だから! ハルが見たいなら、練習見るくらい、いつでも大丈夫だから!」
気が付くと、オレはハルの指先のイチゴごと、ハルの両手を包み込み、ハルの好きなようにすればいいと口にしていた。
隣の淳はしばらくの間、オレがハルを慰めるのを見守った後、徐に言った。
「練習さ、月・水・金なんだけど、いつ来る?」
☆ ☆ ☆
ハルが言っている事が何なのか、頭のどこかでは理解していた。だけど、久々の満面笑顔のハルを間近に見て、オレは一瞬、我を忘れた。
「見学しに行っても良いって、谷村くん、前に言ってた……よね?」
ハルはオレの手をきゅっと握り返し、そのまま淳の方に目を向けた。
淳がこのチャンスを逃すはずはない。ハルというオレの弱点を淳は見事に突いてきた。
「もちろん! いつでも来て? ハルちゃん用の椅子も準備するし!」
「淳!」
オレは瞬時に表情を硬くして淳を睨みつける。
だけど、その瞬間、またハルがビクッと震えた。
「ハル、ごめん、大きな声出して」
慌ててハルに向き直って謝ると、ハルはとても困った顔をしていた。
「……あの、ごめんね、カナ。そんなに嫌なら、わたし……」
困った顔と言うより、泣きそうな顔と言うか、とにかくハルはすごく悲しそうに、小さな声で先を続けようとしたのだけど……。
「ああ、ごめん、ハル! 全然、大丈夫だから! ハルが見たいなら、練習見るくらい、いつでも大丈夫だから!」
気が付くと、オレはハルの指先のイチゴごと、ハルの両手を包み込み、ハルの好きなようにすればいいと口にしていた。
隣の淳はしばらくの間、オレがハルを慰めるのを見守った後、徐に言った。
「練習さ、月・水・金なんだけど、いつ来る?」
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