あなたの隣で、その約束を。
今がとても幸せで、大切なのはよく分かっている。
だからこそ、この先の未来もルーカと共に生きたいのに。
「はは。俺達両思いだったんだ」
「片思いだと思ってた」
「俺も」
鈍感な私達だから、こうやって言葉にしないと分からないことがたくさんだ。
そっと私の髪を撫でるルーカの手が、頬へと移動する。
少しゴツゴツするその手は暖かくて、頬を擦り付けた。
「リル。俺決めた」
視線を絡ませ合いながら、ルーカが真剣な声でそう言った。
「何を?」
「必ず君を迎えに行く。だから、他国で腕を上げてみせる」
「……どういうこと?」
「ここは、亜人にはハンデがある。でも他国だったら亜人も受け入れてくれる国がある。そうしたら称号だって貰えるはずだ。騎士としてここでも受け入れてもらえたら、今の立場よりも君を迎えに行ける、だろ?」
確かに、他国では亜人の騎士もたくさんいるしそこから貴族へなった者もいると聞く。
そうしたらルーカだって、私の側近にもなれる確率がぐんと上がる。