同期は蓋を開けたら溺愛でした

 今日も大友のアパートに行くのかなあ。

 そんなことを思いながら帰路に就いていると、後ろから追いかけて来たような大友に捕獲された。

「何、勝手に帰ってるんだよ」

 息を切らす大友に目を丸くする。

「え、だって、仕事終わったし。定時だし」

「そうじゃなくて」

 深いため息をつく大友は当たり前のように手を引いて歩いて行く。

 今日も行き先はアパートではないみたいだ。
 今回も場所は違えど、やはり有名なデートスポット。

 ビルの最上階が展望台になっており、夜景が綺麗だと有名だ。

 有無を言わせず手を引かれ、最上階まで連れて行かれる。
 会話もそこそこに歩く大友はなんだかやっぱり変だ。

 展望台につくと、一面ガラス張りで確かに夜景は綺麗だった。
 雲に覆われて視界良くないとはいっても、雨に濡れた夜景はそれはそれで綺麗だった。

 けれど、デートコースで有名な展望台。
 恋人たちがたくさんいて、夜景を見ながらいい雰囲気……というより濃厚な雰囲気の人ばかり。

 夜景そっちのけで人目もはばからず、あっちを見てもこっちを見てもキスしている。


< 158 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop