同期は蓋を開けたら溺愛でした
ほんの少し離れた場所にいるだけなのに、手の届かないガラスの向こう側にいるみたいだ。
「……本当に私を好きでいてくれてるの?」
絞り出した想いは大友には届かない。
「少なくとも俺が恵麻を好きかどうか顔色を伺うような奴じゃなかった」
冷めた口調で言われ、悲痛な声が漏れる。
「それはだって、同期だったから……」
「やっぱり俺たち、同期の関係を崩すべきじゃなかったのかもな」
決定的な台詞を言われ、目を閉じると何もかもを飲み込んで口を開いた。
「そっか。そうだよね。……ごめん。帰るね」
大友を視界に映すのもつらくて、姿を見ないようにアパートから出た。
悲しいはずなのに、どうしてか涙は出なかった。