同期は蓋を開けたら溺愛でした

「青木さん?」

 声をかけられ、ハッとすると目の前には水野さんが立っていた。

 一緒にいた同じ受付の人たちに「ごめんなさい。先に行ってて」と言伝をして、私の方へ向き直る。
 こんな時に、この人と対峙する気力なんて残っていない。

 俯いていく私に想像とは違った声をかけられた。

「あの、謝りたくて」

 しおらしい声は彼女によく似合っていた。
 長い髪を耳にかけ直す姿も可愛らしい。

 大友とよりを戻したのかな。

 そんな思いが浮かぶぐらい心はささくれていた。

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