同期は蓋を開けたら溺愛でした

 今日こそは増永さんに認められるようにプレゼンしなければ。
 鼻息荒く打ち合わせの会議室で待ち構える。

 すると肩をグッと握られて「イタタタッ」と声を上げた。

「肩に力入り過ぎ」

「もっと優しくできないわけ?」

 口を尖らせると最初こそ痛かった肩揉みも、ほどよい指圧に変わる。

「いつも通りで大丈夫だ。な?」

「うん」

 手が離されると肩が温まってリラックスできているのを感じる。

「いつも、ありがとね」

「ははっ。今度、何かご馳走してもらおうかな」

 同期らしい台詞に目尻を下げて答える。

「そうだね。盛大にお返ししなきゃ」

 そんな話をしていると原田課長が入ってきて、続くように営業の人たちも席に着いた。

「では、文房具フェスに出す商品候補である、カッターのプレゼンをさせていただきます」

< 237 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop