同期は蓋を開けたら溺愛でした
朝食兼昼食を、水族館に併設されているレストランで済ませてから館内へ。
入り口から一歩中へ入ると、一面の水槽に魚が群れをなして泳いでいる。
「うわ、すごい」
「ああ」
大友は温かい眼差しで、魚ではなく私を見ている。
「なに? はしゃいでて子どもっぽい?」
「いや、俺は魚見てもうまそうだなぁって思うから。どうやって捌いてやろうかって」
魚まで捌けるんだという驚きと、マグロくらい大きな魚でも捌けそうだという勝手な想像をして楽しくなる。
「大友ってブレないよね。昔から料理が好きなの?」
「そうでもない。お前の胃袋を掴むため」
嘘か本当か分からない表情で言われ、微笑みを消すと「冗談」と、これまたどっちか分からない口調で言う。