同期は蓋を開けたら溺愛でした
「今回の社員旅行も、青木さんを思いやって待ってもらっていたのは、大友さんの根回しなんですよ」
自分の手柄のように嬉しそうに報告してくる子をまじめじと見つめる。
大友が?
そんなこと、一言も……。
「今年の幹事の人に「もう少し待ってやって」って話しているのを聞いたら、もう胸がいっぱいになって」
キャーキャーはしゃいでいる後輩たちを、もはや異世界で起こっているかのように、ぼんやりと眺めた。
「大友さんって、強面じゃないですか。対応も普通の人にはそっけないですし」
それは確かにそうかもしれない。
ただ、懐に入った人には優しくて……。
後輩たちは私の存在そっちのけで盛り上がっている。
「普段は青木さんにさえそっけないのに、仕事をしながら青木さんの横顔を盗み見てる。その時のとろけた顔!」
「眼福です!」
知らなかった事実を次々に話し連ねられ、処理できずに手を顔に当てる。
「去年の社員旅行の時だって!」
まだまだ盛り上がる後輩たちに、目眩がした。