同期は蓋を開けたら溺愛でした

 少し酔いを醒ましてから連れて帰ろう。
 そう思って、なんとか横になった大友のワイシャツのボタンに手をかける。

「苦しいといけないから、ボタン外すね。あとでお水買ってくるから」

 ボタンを外す手を掴まれて、ドキッと心臓が飛び跳ねる。

「ごめん。外す方が嫌?」

 前に露出し過ぎているのが苦手って言っていたのを思い出し、そう口にすると大友がボソッとつぶやいた。

「恵麻のエッチ」

「……はい?」

 悪酔いにもほどがある。
 どれほど飲んだんだろうと眉をひそめていると、つらそうに顔の上に置いていた腕を下ろした。

 覗き込む私を見上げる大友から、不穏な空気を感じてたじろいでも遅かった。

 後頭部に手を当てられ、「恵麻からキス、して」と甘く囁かれた。

 あの日から一週間。
 穏やかな雰囲気の中で軽いキスはあったけれど、あの日を思い出すような艶めかしい状況はお互い避けていたくらいで……。

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