同期は蓋を開けたら溺愛でした
「私、飲んじゃったよ」
「ん?」
「まだ願掛け、続いてたって知らなくて」
今日の飲み会の前に、なにも言われなかったから、もういいのかなって思ってた。
「なんだと思ってたわけ? 願掛け」
「私と付き合うまでを願掛けしてて、付き合おうって正式に言ったから、もういいものだと……」
「当たりでもあり、ハズレでもある。それに今日はお前が酔ったら本音を話してくれるかなって、邪心がないわけじゃない」
悪い顔をする大友が、私の方へ近づいた。
近づいた分、私もじりじり後退り、とうとう壁までたどり着いてしまった。
「せっかくの原田課長からのご厚意を受け取って、社員旅行は退散しよう。それで、恋人としてここに泊まらない?」
「ここ?」
「ここ」
「それでじっくり時間を掛けてでも、恵麻の不安を吐かせる」
獰猛で狡猾な捕食者に睨まれた獲物の気分になって、ゴクリと喉が鳴る。
顔が近づいてビクリと肩を揺らすと、怖ろしい宣言とは裏腹の優しいキスをされた。