同期は蓋を開けたら溺愛でした

 大友の意見通りなのは癪だけれど、カフェのホットミルクは砂糖やはちみつが入っていてほっこりする甘さにリラックスできる。

 運ばれた飲み物に口をつけ、一息つくとソファの背もたれにゆったりと体を落ち着けた。

 体の隅々まで力を抜き、つぶやくようにぼやく。

「やりたい方向性は決まってるんだけどさー」

「そう」

 大友はそれだけ言うと、優雅に足を組んでコーヒーに再び口をつける。
 強面がカフェにいるさまがどうしてか絵になるのが納得できない。

 今日は社外の人と会う予定はなく、服装はスラックスにワイシャツ。
 ボタンを1つだけ開けた首元は、必要以上に肌が露出しているわけじゃない。

 それなのに漂う色気に目をそらす。

 男らしい喉元に、鼓動がおかしくなって仕方がない。

 今まで、ずっと一緒にいたじゃない。
 意識しすぎ。

 入社3年目で、まるっと2年。
 戯れ合う同期としてずっと隣にいた。
 それをいきなり変えられない。

 そう。ずっと右隣。
 正面に座られる状況に慣れないだけだ。

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