同期は蓋を開けたら溺愛でした

 その思いを感じ取った大友が「刃がしまえるだけじゃまだ危ないな」と顎に手をやりながら考えてくれる。

 私もそれは考えた。
 刃がしまえたらどうか、と。

 でも、結局は切っている時に刃が出ていたら危ないのは変わらない。

 今回は沙良ちゃんに喜んでもらいたくて、沙良ちゃんのために考えたいからというのもあり、ますます力んでしまう。

「カバー、かな」

 つぶやいた大友の声を変換し間違えて「カバ?」と場違いな単語を言う。

「カバ……ワニ……」

「おい、カバじゃなくて、カバー」

 呆れた声を掛ける大友に目もくれず、急いで紙ナプキンを広げ、大友のワイシャツに刺してあった胸元のペンを抜き取ってラフ図を描いていく。

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