同期は蓋を開けたら溺愛でした

 腕に顎を置き、気怠げな大友が手を伸ばす。

「ソース、ついてる」

 指で口元を拭う大友の行動に、心臓は余計に不整脈を起こす。

「ぎゃっ。待って、ストップ」

「どうした。カエルでも潰れたか」

 カエルが潰れたくらい、可愛げのない声ですみませんでしたね。そう文句を言うよりも、今はもっと言わなくちゃいけないことがある。

 ソースを拭いた指先を舐めようとしている大友が、今は怪訝な顔をしてこちらを見ている。
 その隙にティッシュを取って、急いで大友の指先を拭き取った。

「ソース拭った指、舐めるとかキザというか、そういうのやめてよね」

 ため息をついて、やれやれと腰を落ち着ける私に大友の方も呆れた声を出す。

「何、意識してんだよ。いつものことだろ」

 いつも、こんな甘ったるい行動されてた?
 嘘でしょ、そんな……。

「中身、小学生の恵麻ちゃん」

 からかいの言葉が今日はどうしてか胸を抉る。
 今日はというより、ここ最近、思っていた私たちの関係性。

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