ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し
背筋に霜柱が一本突き通った。

創手は澄んだ瞳をしている。

あたしはふらふらと視線を彷徨わせ、彼から目線を引き剥がす。

「だからここに来たんでしょ?」

彼の物言いはまるで、雪の銀世界に覆われたかのような静けさを孕んでいた。

「……何が、ご存知なんですか?」

「僕は創手だもの」

極めて至当という口調で創手が言う。

「一体ここはどこなのですか?」

自分から訊いておきながら、それが何だか恐ろしい解答を導きそうで、あたしは舌が口蓋に引っ付きそうになるくらい緊張した。

「僕と一緒になるというならば、教えてあげよう」

目の前の創手は凄絶なまでに美しく、そしてひどく異質な存在に見えた。

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