ぜ、ん、ま、い、と、あ、た、し
それからというもの、創手は敷地内の様々な場所にあたしを伴った。

自分の創った世界を見せびらかしたいようだった。

女神の抱えた壷から水が迸る噴水や、精魂込めて手入れされていると一目で分かる見事な庭、大きな木の下にぶら下がったブランコ。彼は無邪気にそれらを指差して笑う。

彼はあたしの手を引いて歩いた。

必ず無表情のグレンヴィルが付かず離れず付いて来た。

2時間サスペンスで、バレバレの尾行している探偵のようだった。

兵士や召使達の目にも困惑する。

突然現れたあたしが創手と一緒にいることに少し疑問を持っていない。

彼らはそんな顔付きをしていた。むしろそうあるべきだとでも言いたげだった。

創手が絶対の存在であるということが垣間見えた。

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