極上御曹司のヘタレな盲愛
「光輝にもさっき叱られたわよ…ホントあの子達、最悪!しょうがないから連れて行くよってパパが言ったらケロッと泣き止んで…!
あんなの絶対に嘘泣きよ!」

「なんだよ。学校でもいつも一緒にいるし、誕生日会にもいつも来てたし…アイツらと仲が良いんじゃないのかよ?」

「仲なんてちっとも良くない…。いつもあの子達が勝手にくっついてくるだけ。誕生日パーティーも私は一回も誘ってない…。いつも毎年勝手に来るの!
なんでだかわかる?私の誕生日を祝ってじゃないわ。大河や悠太が来るからよ!大河達にプライベートで会いたくて毎年来るの!
あの子達が、陰で私の悪口をそこら中で言って回ってるのも知ってる。
本当は一緒になんか居たくもないけど、敵に回すとこの上なく面倒臭そうだから放っているだけ…。
放っておいたら今日みたいに勝手な事ばかりするんだけどね…。
あの子達がいつも纏わりついているせいで、他の友達もできないし…」

花蓮は口を尖らせた。

「へぇ、女って面倒だな…。桃と友達もそうなのか?」

「テニス部の友達でしょ?いつも一緒にお昼を食べてる…。あそこは本当に仲が良いと思うわよ。今、桃が面倒な事になってるけど、変わらず側に居てくれてるみたいだし…」

「ん?桃が面倒な事になってるって…一体どういう事だよ…」

「あー、それもこれも、全部大河のせいなんだからね!」

「俺のせい?」

「うん。前に大河が学食で『桃は俺のものだから手を出すなよ』って高等部のバスケ部の人達に言ってた時あったでしょ?」

「…ああ…」

「あれを聞いていた中等部の大河フアン達が怒っちゃって…。色々、桃に嫌な事を言ったり嫌がらせをしたりして、なんかイジメみたいになっているらしいのよ」

「はぁー?」
なんだ!それ!

「でも桃は…嫌な事をされてる理由をちゃんとわかっていないの。私や光輝や悠太まで避けているのがその証拠。
私達と一緒にいるからイジメられているんだって単純に考えているみたい…。誰かにそんな事を言われたのかもしれないし…。
基本ネガティブなあの子の中で…大河が自分の事を好きなせいで、女子から嫉妬されて嫌がらせを受けてる、なんて考えた事もないと思うわよ…。
桃は、自分は大河に嫌われてるって思い込んでいるから…」

「嫌ってなんかない!こんなに好きなのに!」

「バカね。そんなの桃本人に言わなきゃダメでしょ!昔からくだらない意地悪ばっかりしてるからよっ!」

「じゃあ…今回の旅行に桃が来なかったのも、そのせいなのか…」

「多分ね…。桃は、イジメられている事を私達家族には何も言わないからわからないけど…」

「俺が…イジメてる奴らに、やめろってガツンと言ってやるよ!誰だよ!教えろ!」

「大河…。大河のフアンは1人や2人じゃない。大勢いるのよ…。中等部にも高等部にも…他校にだっている…。その人達が桃に関する嘘の噂を拡散するのは止められないし、悪い噂ほどあっという間に広まるの。
今、大勢の大河フアンが桃を攻撃してる…。
その人達一人一人に注意してまわる?」

「やるさ!」

「大河がやめろと言ったところで、庇われた桃は妬まれて…陰で余計に傷つけられるかもしれない…。
ただ…主犯が誰かは何となくわかっているのよ…。精神的にだけじゃなく、持ち物を隠したり壊したり捨てたりして、桃に実害を与えている奴らの主犯…」

「誰だよ!主犯って」

「そいつらが桃に嫌がらせをしている所の証拠を集めて、その主犯に釘をさすのが一番良いと思う…」

「だから!誰だよ」

その時…。
「あ〜!いたー〜!花蓮ちゃん、ずるい〜!水島さんを独り占めしちゃダメ〜!」

斎藤ナントカが走ってきながら鼻にかかった甘え声で言うのが聞こえた。
チッ!ウザい!
思わず舌打ちをした俺に、花蓮が小声で言う。

「アレが多分…主犯だからね…」


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