極上御曹司のヘタレな盲愛
「じゃ、退職するか、解雇されるかは後で人事とよく話し合ってね。話は通しておくから…今日から君達は人事部預かりね。
アレを聞いちゃったらもう部署に顔も出しにくいでしょ。
良かったね、仕事をしてないから引き継ぎとか一切考えなくてもいいみたいだし。安心して有給休暇の消化に入って下さい。
俺としては…さっきの妹への暴言を思い返したら、今すぐ会社から叩き出したいけどね…」
光輝がこれ以上ないくらい冷たく言う。
周りの女性社員達からなぜかクスクスと小さく失笑が漏れる。
今や周りでは、最初から廊下にいた人と更衣室から出てきた大勢の人が事の成り行きを見守っていた。
「あと受付の人達…そこの…斎藤さんを除いて…」
「「は…はい…」」
「君達の意見は、そこの…斎藤さんと同意見なのかな?君…えっと片山さん?
さっき斎藤さんを止める時『いくら残念な方でも社長の娘だよ』って言っていたけど…。
いくら残念な方でもって…うちの妹ってそんなに残念なの?何がそんなに残念?
顔?まさか違うよね…。
兄としての贔屓目なしで見ても、スッピンは君より妹の方が確実に可愛いと思うけど?
君みたいにツケマとかカラコンとかごちゃごちゃつけないし、薄化粧だから一見地味ではあるけどね。
まあ世の中にはマニアも居るだろうから、一概には言えないか…。
じゃあ、性格?…これも違うよね?
少なくとも妹が、他人の事を『残念』だとか貶めるような発言をしているのは聞いた事がない。
他人の悪口を言って攻撃している所も見たことないし…。
同期の女の子に私物を隠されたり捨てられたり、仕事の邪魔をされたり、私服をハサミで切り裂かれたり…ロッカーにスプレーで落書きされても…。
ただ悲しむだけで、妹はその子の悪口なんて身内にだって一言も言わなかったよ。
君達の所にその子のやった事、一つも届いていないのがその証拠だよね。
そうやって考えるとさ。
客観的に見て、性格も確実に君の方が悪いでしょ。
じゃあ何をもって君がうちの妹の事を残念と言うの?
教えてくれないか?」
光輝がこんな事を女の子に言うなんて…。
いつも女の子全般に優しいのに。
でも兄が私の事をこんな風に思っていてくれたのかと、涙が出そうになる。
受付チームの片山さんは俯き、涙を浮かべながらずっと首を横に振っていたが、光輝の最後の問いにようやく答えた…。
「すみません。私…斎藤さんから…似鳥さんは中学生の頃から『双子の残念な方』ってずっとみんなに呼ばれてるって聞いて…。
水島課長がそう呼び始めたんだから、みんなも言っていいって…だから…」
「一緒になって言ってたんだ…最低だね」
「水島課長は双子の花蓮さんの事を好きなのに…桃さんが…美人の花蓮さんを妬んで…色々邪魔をしてるって…斎藤さんが…。
あと、桃さんが…気に入らない同期の子を社長に頼んでクビにしたんだって…斎藤さんに聞いてて…その…嫌がらせをされてたのとか…全然知らなくて…」
アレを聞いちゃったらもう部署に顔も出しにくいでしょ。
良かったね、仕事をしてないから引き継ぎとか一切考えなくてもいいみたいだし。安心して有給休暇の消化に入って下さい。
俺としては…さっきの妹への暴言を思い返したら、今すぐ会社から叩き出したいけどね…」
光輝がこれ以上ないくらい冷たく言う。
周りの女性社員達からなぜかクスクスと小さく失笑が漏れる。
今や周りでは、最初から廊下にいた人と更衣室から出てきた大勢の人が事の成り行きを見守っていた。
「あと受付の人達…そこの…斎藤さんを除いて…」
「「は…はい…」」
「君達の意見は、そこの…斎藤さんと同意見なのかな?君…えっと片山さん?
さっき斎藤さんを止める時『いくら残念な方でも社長の娘だよ』って言っていたけど…。
いくら残念な方でもって…うちの妹ってそんなに残念なの?何がそんなに残念?
顔?まさか違うよね…。
兄としての贔屓目なしで見ても、スッピンは君より妹の方が確実に可愛いと思うけど?
君みたいにツケマとかカラコンとかごちゃごちゃつけないし、薄化粧だから一見地味ではあるけどね。
まあ世の中にはマニアも居るだろうから、一概には言えないか…。
じゃあ、性格?…これも違うよね?
少なくとも妹が、他人の事を『残念』だとか貶めるような発言をしているのは聞いた事がない。
他人の悪口を言って攻撃している所も見たことないし…。
同期の女の子に私物を隠されたり捨てられたり、仕事の邪魔をされたり、私服をハサミで切り裂かれたり…ロッカーにスプレーで落書きされても…。
ただ悲しむだけで、妹はその子の悪口なんて身内にだって一言も言わなかったよ。
君達の所にその子のやった事、一つも届いていないのがその証拠だよね。
そうやって考えるとさ。
客観的に見て、性格も確実に君の方が悪いでしょ。
じゃあ何をもって君がうちの妹の事を残念と言うの?
教えてくれないか?」
光輝がこんな事を女の子に言うなんて…。
いつも女の子全般に優しいのに。
でも兄が私の事をこんな風に思っていてくれたのかと、涙が出そうになる。
受付チームの片山さんは俯き、涙を浮かべながらずっと首を横に振っていたが、光輝の最後の問いにようやく答えた…。
「すみません。私…斎藤さんから…似鳥さんは中学生の頃から『双子の残念な方』ってずっとみんなに呼ばれてるって聞いて…。
水島課長がそう呼び始めたんだから、みんなも言っていいって…だから…」
「一緒になって言ってたんだ…最低だね」
「水島課長は双子の花蓮さんの事を好きなのに…桃さんが…美人の花蓮さんを妬んで…色々邪魔をしてるって…斎藤さんが…。
あと、桃さんが…気に入らない同期の子を社長に頼んでクビにしたんだって…斎藤さんに聞いてて…その…嫌がらせをされてたのとか…全然知らなくて…」